三ツ星大学★★★チョコレート編(1限目)
東広島が世界に誇る食の探究者が結集する至高のグルメ講座『三ツ星大学★★★チョコレート編』、8月19日(水)ついに開講日を迎えました!
この日は会場(ミライノ+)とユーチューブで参加した約20人に向けて、佐藤学長と細野先生によるエネルギッシュな講義が炸裂!食に対する意識の変化から脳の働きまで、食を取り巻くサイエンスについて縦横無尽に語っていただきました。
『サイエンスが拓く新境地!”食”で東広島を元気に!』
広島大学 名誉教授 佐藤清隆×(対談)×広島大学大学院 統合生命科学研究科 教授 細野賢治
1 東広島と食のサイエンスのつながり(佐藤清隆)
《主な内容》
「食」というテーマを俯瞰すべく、まずは時代とともに移り変わってきた「食べる意識」についてご紹介いただきました。戦後の食糧難=”お腹で食べる”時代に始まり、高度経済成長時は=”舌で食べる”グルメブームが到来、そして21世紀の今は”頭で食べる”時代へと、人々の「食に対する意識」は変化しているそうです。
「頭で食べるってどういうことですか?」
はい、例えば、身体の中から滲み出る美しさを手に入れたい、100歳まで健康でいたい、フェアトレードで途上国の経済発展を応援したいなどその「食」の背景にあるストーリーがより重視される変化のことです。
こうしたクリエイティブな変化は世界中で起こっており、ここ広島でもこうした変化を先取りすれば、十分世界で戦えるビジネスが生まれそうです!
とは言え、基本となるのはその「おいしさ」ですよね。
しかし改めて考えると、人は何をもって“おいしい”と判断しているのでしょうか。
そこには「味」「匂い」「外観」等の直接的要因を解釈する左脳と「生理状態」「心理状態」、さらに知識や経験といった「背景要因」を解釈する右脳が複雑に絡み合うメカニズムが存在しています!
こうした要素を魅力的に統合する力がこれからの時代には不可欠になりそうですね。まだまだ未解明な部分も多いそうなのですが、地元・広島大学統合生命研究科でも様々な研究が進められているそうなので、今後の研究成果に期待しましょう!
2 地域の力を食のビジネスに生かす(細野賢治)
農業向けの土地としては条件が日本一悪いのに作物の多様性は豊富…この矛盾がなんとも不思議な広島県、特に我が「東広島市」は”みかん”と”りんご”を生産できる唯一の市なんだとか、みなさんご存じでしたか。
ハードウエア中心の農村振興施策ではなく、6次産業化/農商工連携/都市農村交流/農村間連携等のソフトパワーによる農村の「活性化」を研究されている細野先生から様々な取り組み事例をご紹介いただきました。
【6次産業化】 尾道のイチジクを1年中味わってもらいたい…おのベジ槇山農園 卯元幸江さん
【農商工連携】 瀬戸田のレモンで広島の手土産を作りたい!…島ごころ 奥本隆三さん
【都市農村交流】 マイナーなすだちを活かす!一人の行動が地域を巻き込んだうねりへ…フルーツ夢工房MUKAISHIMA 半田史子さん
【農村間連携】 東広島では有名!? 羊を使った町おこしも!…ひとむすび 山田芳雄さん
多様性がある=組み合わせの自由度が高い、見方を変えれば広島県は宝の山ですね!
3 質疑応答&全体ディスカッション
Q レモンの事例があったが、需要が大きくなった場合、どう原材料を確保するのか。
A このケースでは、レモンを加工用単価ではなく生食用単価で買い取ることで生産者の信頼を得ている。逆に商品単価を上げるためのマーケティングが重要である。
Q 高齢者が増える日本における食の課題は。
A 年齢を重ねても、「味」や「感触」は覚えている。QOLをより高めるため、見た目を損なわない食材加工等も大切になる。