【円陣インタビュー】空き家を文化交流拠点にー地域と訪日客をつなぐ「Cultural Creative Exchange Hub」プロジェクトー
過疎地の空き家を文化交流拠点へ
円陣は、地域社会の課題解決に情熱を持って挑む「プレイヤー」を募り、伴走者やサポーターとともに事業計画を磨き上げる、東広島独自の起業プログラムです。
2025年度円陣プレイヤー ハネケ・ヴァン・ドリエルさんの取り組みをご紹介します。
ハネケさんは「Cultural Creative Exchange Hub」というプロジェクトを立ち上げ、日本の過疎地の空き家を活用し、地元の人々と海外の観光客が自然に触れ合える「文化交流拠点」の創出を目指しています。
円陣の活動期間中には、三原市の佐木島にある古民家の改装を進めながら、東広島市で地域の人々と海外出身者がともに楽しめる文化交流ワークショップを4回開催するなど、文化交流拠点づくりの基礎を着実に固めることができました。

ハネケさんの原体験
オランダ出身のハネケさんは、これまで様々な大学で教員をされており、25年前には東広島で勤務されていた経験もあります。
子育て期間中は欧州で生活していましたが、数年前、縁あって広島へ。三原市に移住を決意されました。
久しぶりに戻った広島では、山間部や島で進む過疎化や空き家の増加、高齢化により空き家管理や蜜柑畑の世話が難しくなるといった課題が深刻化していることを実感します。
一方で大都市では、海外からの観光客が増えて人が集中し「観光公害」が指摘されるほど。しかし、地方の過疎地では、その土地の魅力が知られぬまま、観光客がほとんど訪れないというギャップがあります。
「観光客の分散」と「地域の活性化」、この二つの課題を同時に解決することはできないだろうか?
その問いがプロジェクトの原点となりました。
ハネケさんの円陣への想い
ハネケさんは「起業家育成教育」を専門とし、長年にわたりイノベーションの創出やイノベーターの育成に携わってきました。
数年前、西条駅周辺を歩いていた際に偶然「東広島イノベーションラボミライノ⁺」の看板を見つけ、思わず立ち寄ったことが円陣との出会いでした。それ以来、ミライノでデザイン思考のワークショップを開催したり、過去の円陣プレイヤーのサポートを行ったりと、東広島の起業支援活動に貢献を続けてきました。
2025年に自らがプレイヤーとして応募する決意を固めたのは、円陣事務局の今井さんからの後押しがきっかけです。
プレイヤーとしての活動が始まると、心強い3人の伴走者をはじめとした、仲間の存在が「やらなきゃ」という前向きな責任感を生み、これまで頭の中にあった構想が次々と形になっていきました。

Cultural Creative Exchange Hub:文化交流拠点プロジェクトについて
過疎地域では高齢者が多く、言葉の壁などから外国人に対して不安を抱く方も少なくありません。
ハネケさんは、より多くの海外の人々に地域を訪れてもらい、交流を通じて賑わいを生み出し、地域を再び元気にしたいと考えています。
プロジェクト名を「Cultural Creative Exchange Hub」と名付けたのは、「誰もが互いに何かを教え合える場にしたい」という思いからです。
絵が得意な人、料理が好きな人、パソコンに詳しい人など、地域にはさまざまな特技を持つ人がいます。また、旅行者は自分の国の文化や言語を日本人に伝えることができます。
そうした多様な人々が集まり、一緒に活動することで自然と交流が生まれ、互いを理解し尊重する気持ちが育まれていきます。その積み重ねが、地域にある漠然とした不安を和らげていくと考えています。



円陣の活動期間中には、東広島に住む日本人と外国人が交流を深められる文化体験型イベントを計4回開催しました。
② 豆腐づくりワークショップ:日本の伝統的な豆腐づくりを体験しました
③ 障子貼りワークショップ:佐木島の古民家で障子の貼り替えに挑戦しました
④ 座禅体験:安芸津の福壽院で、心と体を整える時間を共有しました。
各ワークショップには幅広い年齢や国籍の人々が参加し、最初は互いに面識がなかった参加者同士が、体験を通じて自然に会話を交わし、つながりを深めていきました。




佐木島の古民家の近況とこれから
佐木島の古民家は、まだ改装を始めたばかりで、室内には①のワークショップで参加者が色づけした長机が置かれている程度の、まさに「これから」の状態です。
そんな中、先日ハネケさんが作業をしていると、近所に住むお年寄りが2人、興味を持って訪ねてきてくれました。その出来事を通して、「誰もが気軽に立ち寄れる場」がすでに生まれつつあることを実感したといいます。
欧州に住むハネケさんの友人からは、この拠点でアート・ワークショップを開きたいという声が届いています。また、訪ねてきた地域の方々からも、食事づくりなどさまざまな形で協力したいという申し出がありました。
活動を続ける中で、多くの人との新たな「ご縁」が生まれ、地域の人々との「絆」が確かに深まっていることを感じているそうです。
ハネケさんは、「地域とのつながりを育み、誰もが迎え入れられ、交流を楽しめる拠点にしていきたい」と、これからの展望を語りました。
将来的には、「Cultural Creative Exchange Hub」のような「地域と旅行者をつなぐ文化交流拠点」を立ち上げたい人に向けて、これまでの経験で磨いてきたビジネスモデルを生かし、カウンセリングやアドバイスを行う活動にも取り組んでいきたいとも考えています。





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