学問と社会のつながりを実感する探究学習──近大附属高校生の課題解決チャレンジ
円陣プレイヤーの及川陽香です。
「最先端技術と社会の課題解決を理系の力でつなぐ」をテーマに、
2024年11月29日、近畿大学附属広島高等学校の生徒6名を対象とした探究学習プログラムを実施しました。
本プログラムでは、生徒たちが自分の学びと社会のつながりを考え、課題解決に向けたアクションを検討します。
経済産業省が提唱する「社会人基礎力」を意識した構成のもと、学問を社会へと活かす力の育成を目指しました。
■ 活発な意見交換で広がる視点
この日の探究テーマは、「学校生活をもっと便利にするアイデア」。
生徒たちはグループに分かれ、初期意見を活発に出し合いながら、日常の中にある課題を見つけていきました。
身近なテーマだからこそ、それぞれの経験や視点を活かした具体的な意見が次々に挙がり、
議論は自然と深まっていきました。
グループでアイデアを出し合う生徒たち。問いかけに、生徒の視点が広がっていく。
■ 「Why」を重ねる思考法
プログラムでは、「なぜ?」を繰り返すことで課題の本質に近づく思考の深掘りワークを実施いたしました。
何度も「Why」を問い直しながら根本的な原因を探り当てようとする高校生の皆さんの様子が嬉しく、
見守っておりました。
一方で、思考が浅いレベルで止まってしまう場面も見られ、
この問いかけに慣れるまでのサポートの必要性も浮かび上がりました。
課題の背景を深掘りするための思考法を伝えると、生徒たちは真剣なまなざしで耳を傾けていた
■ 社会人基礎力とつながる行動計画づくり
議論を踏まえて、「誰が、いつ、何をやるか」といった具体的なアクションプランも立ててみました。
このプロセスでは、自分たちのアイデアが現実にどう活かせるかを考え、行動につなげる力を養います。
社会に働きかける意識と、他者と協働する姿勢が自然と育まれる時間となりました。
■ 今後の改善点と展望
本プログラムの実施を通じて、次のような改善点が見えてきました:
• 課題の深掘りを支援:生徒が「Why」の問いかけに慣れるために、具体例や質問リストの提示を検討する。
• アクションプランの具体性向上:「この行動でどのような変化が生まれるか?」といった問いかけを加え、計画の実効性を高める。
• 多面的な視点の育成:他グループからの相互フィードバックの時間を取り入れ、視野を広げる仕組みをつくる。
今後も、学問と社会のつながりを感じられるカリキュラムを通じて、生徒の主体的な学びと実行力の向上を支援してまいります。