”何かしたい”が動き出す。共に走る仲間がいる『円陣』」プレイヤー募集中!
「東広島市の社会課題を解決したい――」
そんな強い思いを持つ人たちが集い、自身の事業プランをビジネスの手法で磨き上げる。
地域の仲間と力を合わせ、実践へとつなげていく。それが、“共創型”の起業プログラム「円陣」です。
このプログラムに参加するのが、「プレイヤー」と呼ばれる実践者たち。
地域の課題を自分ごととして捉え、想いを原動力に、事業というかたちで解決をめざします。会社員、学生、主婦など、バックグラウンドも年齢もさまざま。共通しているのは、「地域のために何かをしたい」という情熱です。
令和5年度にスタートした円陣は、今年で3年目。
いよいよ令和7年度のプレイヤー募集が始まりました。
今回は、円陣事務局の今井恭子さん、そして前年度のプレイヤーとして実際にプロジェクトに取り組んだ西川和子さん、大世渡渉さんにお話を伺い、「円陣ってどんなプログラム?」「誰が参加できるの?」「実際にやってみてどうだった?」といった素朴な疑問にお答えいただきました。
■円陣事務局・今井恭子さん
--まず円陣の特徴について教えてください
円陣は、東広島市をフィールドに、地域が抱えるさまざまな課題、たとえば地域活性化、買物弱者支援、地域交通、社会教育、子育て支援、環境エネルギー、社会福祉、若者・就労支援などに対して、高い熱量を持って取り組む人を募集し、その事業プランをビジネスの手法で磨き上げ、具体的な実践につなげていく“共創型”の起業プログラムです。
--円陣ならではの特徴はありますか?
多くの起業支援プログラムでは“メンター”と呼ばれる専門家が助言を行うのが一般的ですが、円陣にはメンターはいません。その代わりに、プレイヤーと一緒に走ってくれる存在として「伴走者」がいます。さらに、自分のできることでプレイヤーを応援したいという想いを持つ「サポーター」も加わり、プレイヤーを中心に大きな応援の輪を広げていくのが特徴です。
ポイント
☑ プレイヤー:社会課題解決に向けた事業アイデアを持ち、ビジネス化を目指す人々。
☑ 伴走者:プレイヤーとともに事業の具体化や実践を支援する専門家や経験者。
☑ サポーター:プレイヤーや伴走者を支援し、プロジェクトの成功に貢献する地域住民や企業、団体など。
なぜ“メンター”ではなく“応援団”のようなかたちにしているのかというと、社会課題をビジネスで解決しようとする場合、市場規模が小さかったり、必要とする人に届きにくかったりと、収益化の難しさがあるからです。まだ成功のセオリーが確立されていない領域だからこそ、助言だけを行うメンターではなく、共に悩みながら動いてくれる仲間の輪を広げていくことが必要だと考えています。
--プレイヤーに求められるのは「熱い思い」なんですね。
とはいえ、
「社会課題の解決なんて、自分にはまだ早いかも…」
「“強い思い”って言われても、自信がない…」
と、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、円陣に関心を持っていただけそうな方のイメージを、いくつか挙げてみました。
□ボランティア活動をしているけれど、もっと人を巻き込んでみたい
□社会をよくする事業に関心があるけれど、ノウハウがない
□自分の特技や趣味を活かして、誰かの役に立ちたい
□NPOで活動しているが、地域とのつながりをもっと深めたい
□地域をよくするアイデアはあるけれど、どう進めればいいか分からない
□困っている人、悲しんでいる人に寄り添い、元気づけるような事業を興したい
もちろん、これはあくまで一例です。
「ちょっと気になるけれど、自分でいいのかな…」という方こそ、ぜひ一度、円陣事務局のある施設「ミライノ+」までお気軽にご相談ください。
--今年度から2コースにわかれると聞きました。
2025年度の「円陣」では、参加者の段階やニーズに応じて、「スタートコース」と「スケールコース」の2つのコースが用意されています。
社会課題への想いはあるけれど、ビジネスとして形にする方法がまだ見えていない方にはスタートコース。一方で、すでにビジネスモデルの仮説が明確で、社会課題の解決を実践へと進めたい方にはスケールコースが適しています。
両コースの違いを以下にまとめました。
スケールコースでは、プレイヤーと一緒に走る「伴走者」や「サポーター」がプロジェクトに関わり、実践に向けた支援を行います。伴走者には10名程度が予定されており、それぞれに謝金(5万円/人)が支払われます。
--スタートコースには伴走者やサポーターはいないのですね。
昨年度までの円陣は、現在のスケールコースにあたる形で実施していました。2025年度から新設されたスタートコースは、自身の想いや軸をしっかり固めることを目的としています。伴走者やサポーターはいませんが、そのぶん事務局がそばにいますので、どうぞ気軽にご相談ください。
視察に出かけたり、地域の声を聞いたり、イベントに参加したり企画したりしながら、「自分は何をやりたいのか」をじっくり見つめ直していく時間を大切にしています。
--事務局としてメッセージお願いします
円陣は、同じ思いを持つ仲間に出会える、数少ないプログラムです。多様な視点やつながりに触れることで、自分の可能性が広がっていく。そんな経験を重ねられるのが円陣の魅力だと思っています。
事務局も全力でサポートしますので、応募を迷っている方も、そうでない方も、どうぞ気軽にミライノ+に足を運んでみてくださいね!オンラインや電話相談もやっておりますので、遠方の方もご相談ください!
ポイント
☑ 円陣には“指導するメンター”ではなく、一緒に試行錯誤する伴走者や応援するサポーターが関わる「応援団型」の支援体制が特徴
☑ プレイヤーに求められるのは、社会課題を解決したいという熱意や意志(必ずしも完成されたアイデアでなくてOK)
☑ 2025年度からは、スタートコースとスケールコースの2コース制で、参加者の段階に応じた支援を提供
昨年度のプレイヤーに聞きました
続いて、昨年度「円陣」に参加したお二人のプレイヤーに、体験をお話しいただきました。
■西川和子さん / Mère Floren ( メア・フローレン)代表
事業内容:花や緑を通したグリーフケアで、人生の別れの悲しみにそっと寄り添い、人々がまた前を向けるきっかけを提供する。
--円陣に応募したきっかけは何ですか?
自分の経験から、この事業を本気でやりたいと思い、看護師を辞めて養成講座を受講したり、花屋で修行したりと学び続けてきました。でも「福祉×生花での収益化は難しい」と別の施設で言われて…、半ば諦めかけていたんです。そんなとき、Instagramで円陣の広告を見かけて、「こんなプログラムがあるんだ!」と、思わず食い入るように読みました。
――応募への不安はありませんでしたか?
応募前に説明会に参加して、事務局の今井さんにたくさん相談しました。収益につながりにくい私の事業でも、価値があると認めてもらえたことが、すごく嬉しかったです。不安はあったけれど、その時々で自分にできることをやろう!という気持ちで応募しました。
――採択後の活動はいかがでしたか?
ずっと一人で抱えていたので、伴走者という相談相手がいることがとても心強かったです。売る商品があるわけではない私の事業は、他の人より進め方が難しい部分もありました。なので、わからないことを一緒に考えてくれる存在がいてくれたのは本当にありがたかったです。考えを押しつけるのではなく、私なりの答えが見つかるまで寄り添ってくれて…。ふわっとしていた部分があった事業の確固たる軸が、定まったように感じています。
--活動を始める前と後で、自分の中で変わったと感じることはありますか?
当初、需要があるなら…と、事業の対象者を広げすぎてしまったこともありました。でも「本当にやりたかったのはこれ?」と違和感が出てきて。円陣の仲間や事務局の支えがあったからこそ、原点に立ち返り、「誰に一番届けたいのか」「誰を笑顔にしたいのか」をしっかり見つめ直せました。今は、やりたいことが明確になり、新しいスタートラインに立った気持ちです。
――応募に迷っている方へメッセージをお願いします。
円陣には、あなたの挑戦を“自分ごと”として考えてくれる仲間がいます。あたたかく、心強い人たちが支えてくれるプログラムです。やりたいことがあるけれど、不安で一歩が踏み出せない。そんなときでも「どうしても諦められない」気持ちがあるなら、ぜひ挑戦してみてください。その時その時にできることを続けていれば、きっとチャンスは巡ってきます。
ポイント
☑ 不安があっても、諦められない想いを信じて挑戦
☑ 伴走者や事務局と対話しながら、事業の軸を見つめ直せた
■大世渡渉さん / 株式会社Switch代表
事業内容:障がい者や社会的困難を抱えた方とアート作品を共創し、その販売を支援することで、製作者の方の自己肯定感の向上や自立に向かう機会を創る。
――応募のきっかけは何ですか?
円陣も、ミライノ+も、実はまったく知らなくて、ある日、郵便局の帰りにふらっとミライノ+に立ち寄ったのがきっかけです。当時はまだ活動を本格化させていませんでしたが、「やるぞ!」という気持ちはありました。事務局の今井さんと話しているうちに、「わかんないけど、申し込んでみよう!」と自然と気持ちが動いていって応募しました。ただ、ミライノ+のあたたかみのある交流が心地よかったことも、理由の一つだと思います。自己開示して、想いを分かちあうことができる場だな、という安心感が挑戦を後押ししてくれました。
――応募への不安はありませんでしたか?
不安はなかったです。ミライノ+で参加した他のイベントも雰囲気が良くて、むしろワクワクしていました。
――採択後の活動はいかがでしたか?
伴走者やサポーターの皆さんがとてもあたたかくて、イベントに足を運んでくれたり、時に厳しくも愛あるアドバイスをくれたり。一緒に悩み、考えてくれる人たちがいたことが、何より心強かったです。円陣がなくても事業は始めていたと思いますが、この半年間の活動は、自分一人だったら3~4年かかっていたと思うくらい、濃密な時間でした。
--活動を始める前と後で、自分の中で変わったと感じることはありますか?
内面的にも、物事の考え方が変わったかなと思います。自分と目の前の人だけではなく、その先の人や団体、企業のことも見据えた価値を考えられるようになりました。売り手や課題だけを重視するのではなく、三方よしを考える思考です。そして価値はビジネス的なものだけではなく、心の豊かさも価値だな、と。後は、誰が聞いてもわかるように言語化する能力がすごく鍛えられたと思います。本当に良い経験でした。
――応募に迷っている方へメッセージをお願いします
私は、柔軟に、素直に取り組むことを大切にして活動してきました。もし迷っているなら、自分の気持ちにも素直になってみることも大切だと思います。たとえ採択されなくても、それは失敗ではありません。やってみないとわからない。後々振り返って必要な経験だったな、財産だったなと思うのではないでしょうか。
ポイント
☑円陣は、自分の想いを素直に伝える場。だからこそ、共感や応援が集まる
☑事業も自分自身も、大きく成長できる
お二人の話から、「円陣」が挑戦と成長の場であることが伝わってきました。なんだか私も応募したくなってきたけれど、そもそも、解決したい“社会課題”がまだよくわからない…。そんな時はどうしたらいいのでしょう?再び、事務局の今井さんに聞いてみました。
テーマが決まっていなくても、関われる?
――社会課題解決に挑戦してみたい!でも、自分のテーマがまだ全然わからないときは?
そんな方におすすめなのが、サポーターとしての挑戦です。
サポーターは「自分の得意なことや興味のある分野」でプレイヤーを応援する人たち。たとえば「子育てをより良くしたい」と考えている方が、子育てをテーマに活動しているプレイヤーを応援する。そんな関わり方でも大丈夫なんです。
最初は“自分が応援したいテーマ”から入って、いろんなプレイヤーの活動を見る中で「こんな社会課題もあるんだ」と知ってもらえる。それだけでも円陣の輪は広がっていきますし、自分のビジョンややりたいことが見えてくるきっかけになるかもしれません。サポーターや伴走者は8月に募集予定です。詳しくは、今後のご案内にご注目くださいね。
今後も「円陣」に注目です!
プレイヤーとして挑戦するのはもちろん、伴走者やサポーターとして関わることでも、自分にとっての気づきや成長があるはず。
どんな関わり方でも、「円陣」はあなたの一歩を歓迎します!
▼円陣2025特設ページ
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