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三ツ星大学★★★コーヒー編(1日目)

東広島が世界に誇る食の探究者が結集する至高のグルメ講座『三ツ星大学★★★珈琲編』、11月5日(木)1限目は「人類史上最もコーヒーが美味しい」と言われるその時代背景について、3つの視点からその理由を紐解いていきます!

《ダイジェスト》
「世の中にこんなに美味しいコーヒーがあったなんて!」
講師であるEARTH BERRY COFFEEの片岡晃さん自身が、鳥肌が立つほど感動し今のお店を開くきっかけになったのは「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるコーヒー、その味わいでした。コーヒーの歴史や現地の生活、そしてインターネット・SNSといった情報革命が引き起こしたパラダイムシフト(常識や考え方が劇的に変化する事)の凄みなど、世界中の産地を実際に訪れる片岡さんだからこそ語れるお話に一同うっとりです。そこから本日とっておきのお楽しみ!国際品評会Cup of Excellenceで上位入賞したコーヒーを全員で試飲します!「最高WOW!」熱のこもった質疑応答など最後まで濃厚な講義が行われました。

1. スペシャルティコーヒーとEARTH BERRY COFFEEのビジネスモデル
「花のような香り、ベリーの甘み、柑橘のような美味しい酸味。」
これらの表現は全てコーヒーに対する味の評価です。全流通量の5~6%が該当する非常に高品質なコーヒー「スペシャルティコーヒー」が今、現在世界中で大ブームを起こしています。片岡さんご自身も初めて飲んだスペシャルティコーヒーがあまりにも美味しく、「こんなコーヒーがあったのか!」→「どうやったらこんな味になるのだろう??」→「現地に行って確認したい!」という想いで、なけなしのお金を叩いて開業当時から生産地へ見学に行かれたそうです。

そんなEARTH BERRY COFFEEの特徴は、
・お店にあるコーヒーは100%スペシャルティコーヒー
・世界中の生産者からダイレクトトレード
・最高品質の焙煎機を使い熟練の焙煎士が丁寧に焙煎
「あの感動をたくさんの人に伝えたい!」という想いからくるこうしたこだわりの数々、「コーヒー豆を売るのではなく、幸せで楽しい時間を売っている!」これが同店のミッションステートメントです。

2. 人類史上最もコーヒーが美味しいと言われる3つの理由
その1
「インターネットと国際品評会Cup of Excellence」
植民地という背景のもと、自分が作っている作物がコーヒーの実であることすらも知らなかった生産者。そこにインターネット革命と言われる情報化の波が押し寄せます。これはコーヒーという飲み物になるのか。値段はどれくらいなのか。品質が良ければ高値で買ってくれるのか。生産者と消費者がダイレクトにつながりそのネットワークを広げながら、情報が世界中を駆け巡ります。コーヒー豆を適正に評価し利益を生産者に還元する仕組み「国際品評会Cup of Excellence」の登場でその流れはさらに加速していきます。最高評価の豆は1ポンド(約450g)で5万円!まさに熱狂です!

その2「生産者に起きたパラダイムシフト」
「高品質の豆が高値で取引されている!」
こうした情報が手に入るようになったことで、何百年と続いた“単なる労働者”という意識が変わり始めます。手にしたお金の一部を設備に投資したり土壌や栽培方法を改善したり、今より高く売るための戦略を自ら考え始めます。いわゆるマーケティングやブランディングの発想が生まれ「農作業から価値ある生産へ」という意識改革が加速します。

その3「技術的イノベーション」
アナロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)?カーボニックマセレーション(炭素発酵)?イーストファーメンテーション?聞きなれない単語ですが、どれも生産者が考案した新しい発酵技術です。スターバックスなどの大企業は、コーヒーの栽培に関連する数多くの知見を無償で生産者にフィードバックするなど、長期的な信頼関係を構築しつつ品質の改良を全面的にバックアップしています。

3. 試飲
本日の試飲は”世界で最も注目を集める最高級品種ゲイシャ”(コスタリカの優良地区タラスにあるドタ農協のもの)です。数年前なら優勝レベルの貴重な豆をその場で片岡さんにフレンチプレスで抽出していただきます。豆の袋を開けただけで、ミライノに甘くて香ばしい美味しい香りが充満します。「お湯を入れる前でこの香り!?」参加者の顔に驚きと期待が満ちていきます。
ガラスコップに注がれたコーヒーは紅茶のような淡い茶色、一口含むと・・・
「美味しい!」「花のような香り!」「柑橘のような酸味!」「苦みは控えめで後に残るコクと甘い余韻!」などなどその味はまさに鳥肌レベル!人類史上最も美味しい時代のスペシャルティコーヒー、納得です!

4. 質疑応答
熱の入った講義に引き込まれるように、片岡さんへ次々と質問が投げかけられました。
Q スタバで働いています。本部から届く豆には、味や香りなどの参考情報が添えられているのですが、自分で味を的確に「表現」することができずに悩んでいます。
A とにかくたくさん飲むことが大事です。そのコーヒーの味をまずは何も見ずに表現し、その後お店の説明とすり合わせていきます。こうした経験がある閾値に達すると、突如として自分の言葉で味を表現できるようになります。

Q 日本のコーヒー豆生産事情について教えてください。
A コーヒー豆は赤道近くの標高の高い限られた地域以外では栽培が難しいとされてきました。日本では沖縄、小笠原諸島の一部で生産されていますが生産量は極わずかです。最近は寒冷地でも育つ品種が開発されハウス栽培を始める人も出てきています。

Q 焙煎技術はどうやって身に着けたのですか。独学ですか。
A 焙煎自体はほぼ独学で身に付けました。焙煎技術の核となるのはカッピング(コーヒーの風味評価)です。これを磨くことにより自分の中で“美味しさ”の定義ができあがり、焙煎の良し悪しを判断できるようになります。逆に、美味しいコーヒーが分からないと どんなにいい焙煎機を入れても美味しい焙煎できないと考えます。

Q 日本のコーヒー業界の課題は。
A 海外ではスターバックスなどの大手企業が中長期的な視点で生産農家を無償でサポートしています。(土壌調査や施肥の指導等)残念ながら日本ではそうした取り組みが希薄で、今後、いかにして生産者と消費者が相互に発展できる仕組みを作っていくかが大事になってくると思います。

Q コーヒーの健康効果について教えてください。
A 抗ガン作用や抗酸化作用といった健康に関する研究結果はたくさん存在していますが、コーヒーの本質は「嗜好品」、すなわち「美味しさ」であると私は考えているので、美味しいコーヒーを提供することを最大限追及しています。美味しいことで幸せを感じる時間が持てるなら、それが健康にも繋がっていくのではないでしょうか。

次回は十字屋珈琲焙煎店の胡麻さんが登場、そのビジネスモデルの核心に迫ります!

開催概要

テーマ三ツ星大学【コーヒー編 1日目】
日時2020年11月05日(木) 14:00~16:00
場所東広島イノベーションラボ ミライノ+
定員15名
ナビゲーター/三ツ星大学学長三ツ星大学学長
広島大学名誉教授/(一社)ショコラミル-インターナショナル代表理事 
佐藤清隆
広島大学生物生産学部で食品物理学の教鞭を執り、2010年に退官。同大学名誉教授でチョコレート研究の第一人者。
現在でもチョコレートを含む油脂の構造と物性の分野において、国内外の様々なステークホルダーと共同研究を推進中。
申込みについて

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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