片桐 萌絵PROJECT01

PROJECT
01

【活動報告】全国の民俗芸能を視察

円陣プレイヤーの片桐です。

円陣期間中に全国各地の民俗芸能保存団体のみなさまのもとに足を運び、たくさんの学びと発見を得てきました。
ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。

 

粟倉神社獅子舞

・所在地:岡山県西粟倉村
・視察期間:2025年9月23日-25日、10月1日~3日

悪魔退散・福を招き・氏子繁栄を祈願する「粟倉神社獅子舞」を視察しました。

この獅子舞は、1758年の神社名を巡る論争をきっかけに、江戸での滞在中に習得された舞が起源となっています。

以来、祠頭大明神(現在の粟倉神社)のお神楽として奉納され、約250年にわたり地域に受け継がれてきました。

舞は関東流の影響を色濃く受けており、関西では類を見ない独自性を持っています。

また、獅子頭は江戸からの帰路で姫路にて求められたもので、現在も大切に使われています。

今回の視察では、保存会のみなさんの練習に密着させていただきました。

また地域の会合にも参加させていただき、お祭り当日の「ハレの日」だけでなく、「ケの日=日常の営み」について考えるきっかけとなりました。

特に印象的だったのは、年齢を越えて教え合う姿です。

ベテランが若手に教えるだけでなく、互いに学び合う関係性が自然に築かれていました。

また、西粟倉村は人口の約15%が移住者という特徴的な地域です。

実際に、移住者が獅子舞の主役を担う場面もありました。

日々の練習やお祭りが、地域に馴染むための「入り口」として機能していることを実感しました。

残念ながら当日のお祭りは見られなかったのですが、みなさんの真剣な練習の姿から、「お祭りは当日だけで成立するものではない」ということを強く感じました。

日々の暮らし=ケの日の積み重ねこそが、文化を支えているのだと実感しました。

 

坂宇場花祭

・所在地:愛知県豊根村
・視察期間:2025年11月22日-23日

「テーホヘ テホヘ」という独特の掛け声とともに夜を徹して繰り広げられる、「花祭」を視察しました。

鎌倉時代末期から室町時代にかけて、熊野の山伏や加賀白山の聖によってこの地に伝えられたとされ、地域の人々の信仰と営みの中で数百年にわたって受け継がれてきました。

1976年には国の重要無形民俗文化財に指定され、現在も毎年11月上旬から1月中旬にかけて各地で執り行われています。

舞の拍子や舞式には地域ごとの違いがあり、その多様さも花祭の大きな魅力のひとつです。

一方で、明治初期の廃仏毀釈は花祭にも大きな影響を与え、現在まで続くかたちの背景には、そうした歴史の変化もあります。

今回の視察では、事前に地域の方々にヒアリングを行い、当日は実際に現地でお祭りを体験しました。

大声を出し、お酒を酌み交わし、初対面の人と語り合い、味噌を塗られ、榊で打たれ、湯を浴びる――。

非日常の連続の中で、人と人とが強く結びついていく感覚がありました。

一方で、地域の方々からは率直な言葉もいただきました。

人口減少や高齢化が進む中で、花祭を続けていくことは決して簡単ではないこと。

そして「続けたい」という想いだけでは乗り越えられない現実的な課題があること。

また、「花祭をどれくらい続けたいか」という問いに対しても、人それぞれ異なる価値観が存在していることが印象的でした。

しかし同時に、外から訪れる人の存在が、地域にとって大きな意味を持っていることも強く感じました。

「花祭ファン」が増えることで、地域や文化への関心が広がり、結果として継承の力になる。

実際に現地に足を運び、同じ空間で時間を共にすること。それが何よりも強い価値を持つということを教えていただきました。

この視察を通して、お祭りの継承には「当日」だけでなく、その前後の関わりや、人が関わり続ける仕組みが不可欠であると感じました。

そして今はまさに、人と文化との関わり方そのものが変化している時代だと実感しました。

 

沖縄視察

・視察期間:2026年3月2-5日

円陣サポーターの日下智晴さんのご紹介で沖縄県を訪問しました。

日本の中でも特に文化が豊かな地域において、文化がどのように育まれ、継承されているのかを学びました。

まず、開梨香さんから琉球文化や教育についてお話を伺いました。

文化は「守るもの」であると同時に、「育てるもの」であり、人づくりと深く結びついているという視点が非常に印象的でした。

また、琉球民謡を楽しむ酒場では、子どもから大人までが自然に文化に触れている姿がありました。

幼少期から文化に触れる環境が、当たり前のように存在していることが強く印象に残っています。

さらに、平田大一さんとの意見交換では、「文化の入り口をどうつくるか」という重要な視点を学びました。

文化は学ぶ対象であるだけでなく、人と人をつなぐコミュニティの核として機能しているということです。

エイサー青年会の事例では、団体同士の横のつながりによって、互いに高め合いながら文化を継承している様子がありました。

一方で、人手不足という課題も抱えており、継承の難しさも同時に感じました。

また、現代版組踊の稽古にも参加させていただきました。

小学生から高校生までが主体的に取り組み、上級生が下級生に教える姿、そして家族ぐるみで支える環境がありました。

現代的なアプローチによって文化の入り口が広がり、そこから研究者を志す子どもや地域への愛着を深める子どもが生まれていることも印象的でした。

 

視察を通して

今回の視察を通して、いくつかの大きな学びを得ました。

まず、文化継承は「ハレの日」だけでは決して成り立たないということです。

日々の暮らし=ケの日の積み重ねがあってこそ、文化は成立しています。

また、文化への入り口のハードルが高くなっている現代においては、「誰でも関われる入り口づくり」がより重要になっていると感じました。

そして何より、「見る」だけでなく「参加する」こと。実際に関わることでしか得られない学びやつながりがあります。

さらに、文化は地域の人だけのものではなく、地域外の人も関わることができるものです。

多様な関わり方を提示し、関係人口を増やしていくことが、これからの文化継承において重要な視点だと感じました。

今回の経験を通して得た学びを、今後の活動にも活かしていきたいと思います。

〇文責・写真
文・写真:片桐萌絵

その他の活動状況

  • 【活動報告】全国の民俗芸能を視察

  • 【告知】東広島で、新しい挑戦をします!

  • 【活動報告】親子で体験!ミニ杉玉づくりワークショップ

  • 【円陣インタビュー】「学び」と「働く」をつなぐ、新たな一歩。70歳の挑戦が描く「学ぶ×働く」循環型モデル

記事の一覧へ